中国の鳥インフルエンザは、爆発的な流行にはならないものの、
いまだ終息には至っていないようですが、今回のH7N9、結構死者も出ていますね。
これが人から人への感染力をもってしまったら、恐ろしいです。
ところで、今回はH7N9ですが、これが何を意味しているのかちょっとよくわからない。
ウイルスの型らしいのですが。
で、ちょっと勉強してみました。
『新しいウイルス入門』 単なる病原体でなく生物進化の立役者
竹村政春 著
インフルエンザウイルスの型と言えば、A型、B型、C型がありますが、
H○N○というのは、A型の中の亜型で、B型、C型にはありません。
この亜形による違いは、ウイルス表面のたんぱく質の型によって決まってきます。
Hで16種類、Nで9種類あるそうです。
インフルエンザウイルスの構造は、中心に遺伝子であるRNA、その周りをたんぱく質
が覆いさらに外側を細胞膜のような脂質二重膜(エンベロープ)が覆っています。
そしてエンベロープから2種類のたんぱく質が突き出るような形をしています。
この突き出たたんぱく質が、H(ヘマグルニチン)、N(ノイラミニターゼ)
この型の違いがウイルスの亜形になったいるのです。
ではこの2種類のたんぱく質が何をするのかと言うと、まずヘマグルニチンは、
感染をしようとする細胞表面にある糖と結合し、細胞に吸着し、それによって
細胞は感染します。また、ノイラミニターゼは、逆に糖を分解し切り離すので
複製されたウイルスが体内に広がっていくのに重要な働きをします。
体内の各細胞は、それぞれの器官によって表面に存在するたんぱく質や糖、
分解酵素などが違うので、それによってウイルスが感染できる器官が決まってきます。
インフルエンザであれば、上気道や消化管が主な感染ルートになるのです。
また、鳥インフルエンザの中でも高病原性で、パンデミックが心配されている
H5N1が持っているヘマグルニチン、H5は全身の臓器で感染、増殖ができるので
全身症状が起きてしまい、致死性が高いのだそうです。
今のところ、H5を持ったウイルスがヒトからヒトにうつることはないようなので
一安心ですが、いつヒト間の感染力を獲得するかわかりません。
のどから感染することが多いわけですから、今のうちから手洗い、うがいの習慣づけ
が必要ですね。
カクバリ